第３回沖縄国際映画祭　2011年3月18日(金)～3月27日(日)

３月25日（金）、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター・シアター１にて『電人ザボーガー』が上映され、先立って行われたシアターレッドカーペット＆舞台あいさつに、井口昇監督、板尾創路、古原靖久さん、山崎真実さん、宮下雄也（RUN＆GUN）、佐津川愛美さん、劇中に登場するロボットの電人ザボーガーが登場しました。

本作の主演としてレッドカーペットを歩いた板尾は「沖縄の人に歓迎してもらって感激しています」と、今年もまた映画祭に参加できたことを喜んでいました。質疑応答では、「被災地の子供たちも電人ザボーガーに来てほしいのでは？」と質問され、すかさず「僕、聞いてきます」と電人ザボーガーに駆け寄る一幕も。耳元で話しかけるザボーガーのコメントを「ザボーガーも機会があれば映画を見てほしいと言っています」と板尾が代弁しました。

その後、一同は舞台あいさつに登壇。1974年にテレビ放映された伝説の特撮ヒーローものを映画としてよみがえらせた井口監督は「ロボットがバイクに変身するという、まさに『トランスフォーマー』の本家本元の映画です。当時、夢中で見ていた世代は今、40代、50代を迎え、疲れている人も多いと思うので、もう一度、ヒーローになってみようと呼び掛けたかった」と映画を製作した思いを語りました。

そんな井口監督のオファーを受けて、47歳の熟年ヒーローを演じたのが板尾。“特撮モノの主演”という初めてのオファーに戸惑ったそうですが、青年期と熟年期の２部構成と聞き、「それなら無理なくできるなと」と思ったとか。アクションの経験がないなかで「できる限り自分で演じ、足も高く上げたし、大きな声も出しました」と新境地に挑んだことを告白し、「こんなおっさんでも特撮ヒーローができるんだと、世のおじさんに届けたい」と熱く語ると、会場から大きな拍手が起きました。

「空き時間にもずっと自主練習をしている古原さんを見て、ほんとにすごいなと思っていました」（山崎）、「山崎さんも体を張って頑張っていました」（古原）と出演者が語るとおり、本格的なアクションシーンが注目の同作。それに加えて、宮下は「家族の絆や友情など、勇気をもらえる映画。忘れかけていたものを思い出させてくれます」と語り、佐津川さんは「CGはテレビ放映当時ではできなかったこと。かっこよく仕上がっていて、感激しました」と、出演者は思い思いの見どころを観客にアピールしていました。

また、電人ザボーガーは恒例の板尾による通訳で「沖縄では『海人』と書いて、『うみんちゅ』と読みますが、『電人』は『でんちゅ』です」というボケをかましたり、「電人ザボーガー、ＧＯ～！」の掛け声に得意の決めポーズを披露したりと、どこか憎めないキャラクターで会場の笑いを誘っていました。

最後に、井口監督は「今日上映されるのは日本初公開の海外版。秋に予定されている日本公開版とは編集が違うのでこれは本当に貴重なチャンスです」と観客の期待をふくらませ、「ここ何年か日本は元気がありませんが、正義のために戦った当時のヒーローが持っていた熱さをこの映画で取り戻したい」と結びました。