第3回沖縄国際映画祭5日目の3月26日(土)、シアター1での上映3作目となる作品『月光ノ仮面』のシアターレッドカーペット&舞台あいさつに、板尾創路監督、出演者の國村隼さんと矢部太郎の3人が登場しました。
『月光ノ仮面』は、戦後の昭和22年を舞台に、戦死したと伝えられていた落語家・森乃家うさぎが帰郷することからストーリーが展開する板尾2作目の監督作品です。
レッドカーペットでは、板尾監督は「3回目の映画祭となりますが、今回も作品を持って来られて幸せです。この沖縄からメッセージがいっぱい届くといいなっていう思いで映画祭に参加しました。あと1日ありますけど、最後まで一丸となって頑張ります」と、力強く宣言。板尾作品に2作連続出演となった國村さんは「第1回の時に参加しましたが、第2回、第3回と続いていって、将来もっと大きくなっていくんだろうなと思いました。今年は行われるかどうかも危ぶまれたと思いますが、『やっぱりこんな時やからこそやるんだ!』という意気込みがいいですね」と話していました。
また、上映前の舞台あいさつに立った板尾監督は、「監督の板尾創路です。この沖縄国際映画祭には第1回から参加させてもらっていて、毎年この映画祭でお披露目させていただくために映画を作ってきた何年間なんで、初めてお客さんに見てもらうという上映として、今年もちゃんと沖縄に来られてうれしく思っています」と感慨深げにコメント。
“監督板尾”と“普段の板尾”の違いを聞かれた矢部は、少し考えてから「普段と? あの……そんなに変わらなかったです」とひと言。さらに、「1作目、2作目。前作より上達されたなと……」と、大先輩の板尾の作品を上から目線で評価し、会場を笑いの渦に巻き込みました。それを受けた板尾は、「なんか矢部くんは言わされてるような感じがあるんですけど……。いや、まあ、後輩ですけど、そう言われるとうれしいですよ」と大人の対応をしつつも、「矢部くんにはあんまり質問しない方がいいと思いますよ。体温が32度くらいしかないんで、機能してないと思います」とチクリ。「体温はもう少しあります!」と、マイクを通さず叫ぶ矢部の様子に、会場は大盛り上がりでした。
「少々難解な映画になってしまいましたけど、ストーリーを追うことも大事ですけど、映像でも何か感じていただければいいなという映画なんで、特に正解はないので、気にせず見てください」と作品をアピールした板尾監督。その後は、震災に触れ、「僕らは笑いとかエンターテインメントを創ることしかできない。それが仕事なので、何とか皆さんに楽しんでいただけることを頑張るしかないなという気持ちがしておりますので、映画を楽しんでいただいて、一つでも感動とか笑顔とか、皆さんの心の中にそういうことが起こるとうれしいなと思っております」と深々とお辞儀をすると、客席からは大きな拍手が送られていました。