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2011.03.24  
【沖縄で生まれたエールを浴びながら】沖縄3日目――3月24日(木)「桜坂劇場の吸引力」
沖縄国際映画祭の第2基地とも呼ぶべき存在が、那覇市にある。叙情豊かな桜坂劇場だ。沖縄のカルチャー情報発信源といえる異次元の空間がそこにはある。映画祭3日目の3月24日、足を運んでみた。
開放的なガラス張りのエントランスをくぐり抜けると、お洒落なカフェと、選び抜かれた雑貨と書籍のショップが目に飛び込んでくる。かっての名画座とフランスのセーヌ川左岸のカフェを合体させたかのような佇まいだ。画集の棚を見ているだけで、気持ちが和らいでくる。苛々した気分がスーッと体内から抜け出ていく。
沖縄国際映画祭の第1、第2回の審査委員長、第3回の名誉チェ アマンを務めるキム・ドンホ氏の著書「世界のレッドカーペット」の出版を記念して、世界各国の映画祭の写真パネルが壁壁に企画展示されていた。いずれもキム・ドンホ氏が世界の映画祭を渡り歩きながら撮影した写真ばかりだという。飾られているのは、韓国が誇るキム・ギドク、イ・チャンドンらを含む世界の映画人の写真。映画祭各賞の常連たちだ。女優たちも眩い。
書籍コーナーには、映画関連のコアな評論集から、俳優、監督らの著述が並ぶ。板尾創路の『板尾日記』などは売れ筋らしく、正面に全6巻が山積みだ。ここの棚に並べられると、サブカルでさえ、学術書なみの香りを放つから、書店のデイスプレイは、書籍にとっての生命線であり最前線なのだ、ということがよく分かる。
桜坂劇場は3スクリーン。2005年、シネコンに客を奪われ、さびれかかった旧映画館を改装し、沖縄の映画好きな有志5人で立ち上げた。閑散としていた旧繁華街が、スタッフの熱意によって生まれ変わった。桜坂劇場は、東京スタッフも羨むような、沖縄の映画文化の代名詞的存在となった。
ジャンルは問わず、「なんでもやる」のが番組編成の下地久美子さんの方針。「3D映画やハリウッドメジャーは、上映できないが、クオリティの高い作品なら古今東西を問わない」。最近のヒットでいえば去年のアカデミー助演女優賞・脚色賞を獲得した衝撃作『プレシャス』。通常、全国の興行収入における沖縄県のシェアは1%程度というが、桜坂劇場で上映されたこの作品は、それを遥かに上回るシェアを獲得したようだ。
取材した24日は、アースマラソンの挑戦中に間寛平さんが主演したイラン映画『ラン アンド ラン』の上映に先立ち、トークショーが開催された。寛平さんは「え?きょう有料なの?平日やん、人、入らないのとちゃうん?」と心配顔だった。寛平さんは1時間も前から細道に並んでいる40~50人あまりのファンのムンムンとした熱気を知らないのだ。会場は予想通りの満杯すし詰め状態で、司会をつとめるサバンナも押され気味。東京からは、アースマラソンの総合演出を手掛けた日本テレビ・土屋敏夫プロデューサーの姿もあった。
「沖縄国際映画祭とは、これからも一緒に映画文化を盛り上げたい。桜坂劇場は、現時点では東京で入った作品が、当たる確率が高いけれど、もっと沖縄発のヒット作を増やしていきたい」(下地)とのことだった。その潜在力は十分にあると感じさせる、不思議な吸引力を持った劇場だった。
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